JTAフラッシュリプロ療法
痛みはなぜ起こるのか?
日常生活の中で使えていない筋肉が出てしまう方はとても多いです。使えていない筋肉は弱くなってしまいその筋肉を使う際、求められる筋力がない場合、代わりに似た作用を持つ筋肉が働きます。これを『代償動作』と言います。
代償動作で働く筋肉は弱い筋肉の分まで余計に働かなければ行けないため、通常より筋力が必要かつ使用頻度も多くなります。このままにしてしまうと筋肉が過緊張した状態になってしまいます。(肩こりでいう、肩周りの筋肉が張って硬くなっている感じです)
使えていない弱い筋肉とその代わりに働くがために使い過ぎてしまい過緊張を起こしている筋。このアンバランスな状態が関節痛や神経痛、筋・腱の痛みなど様々な痛みを引き起こしていると考えられます。
関節痛はなぜ起こるのか?
正常な関節運動が出来ていれば通常は関節痛は起きません。過緊張を起こしている筋肉に関節が引っ張られてしまうと正常ではない捻れた関節運動となってしまいます。捻れた関節運動は関節を傷つけてしまうので関節痛が起こることがあります。(O脚の人は変形性膝関節症になりやすいと言われているのはこのことが考えられます)
神経痛はなぜ起こるのか?
神経痛はヘルニアや脊柱管狭窄症のように神経が圧迫を受けることで起こることがほとんどです。過緊張を起こしている筋肉による圧迫、または過緊張を起こしている筋肉が骨を引っ張ることで骨の位置が変わってしまい、その結果圧迫されてしまうといったことがあります。
筋肉や腱の痛みはなぜ起こるのか?
テニス肘や腱鞘炎などの筋・腱の痛みは使い過ぎによるものがほとんどです。弱い筋肉の代わりに働く筋肉は、通常よりも負担や使用頻度が大きくなってしまうため、その状態が続くと筋や腱で炎症が起こり痛みとなってしまうと考えられます。
JTAフラッシュリプロ療法とは
JTAフラッシュリプロ療法は600個もある筋肉の関節を安定させる重要な筋肉12個の中から弱い筋肉を見つけ、単独で鍛えることで関節を安定させ正常な関節運動を取り戻すことで症状を改善する治療法です。『Joint=関節』『Treat ment=治療』『Traning=トレーニング』『Aligment=骨の位置関係』の頭文字をとってJTAです。また、一般的な筋力トレーニングと異なり『即効性=フラッシュ』と当院での指導通りに行えば誰でも効果が発揮できる『再現性=リプロ』があるという特徴があります。
単独で鍛える
JTAを行う上で重要なポイントでもあり、一般的な筋力トレーニングにはない特徴の一つ『単独で鍛える』。筋力トレーニングを普段から行う方はご存知かと思いますが、筋力トレーニングをする上で、鍛えたい筋肉に効率よく力を入れるということはかなり難しいです。
人間の体は約600個の筋肉があり1歩あるくだけでもなんと200個程の筋肉が働くと言われています。ほんの少しの動作でこんなにも力が働くのです。一般的に認知される筋力トレーニングも「このトレーニングは◯◯筋を鍛えられる。」などいっていますが実際は沢山の筋肉が動いているのです。
例えば皆さんもよく知っているであろう腕立て伏せ。では、腕立て伏せはどの筋肉を鍛えているかご存知でしょうか?大胸筋・三角筋・前鋸筋・鳥口腕筋・腹直筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋など沢山の筋肉に力が入ってしまいます。
「たくさんの筋肉に力が入るなら同時に鍛えられていいのでは?」と思う方も多いんじゃないでしょうか?上で説明した代償動作という言葉を思い出してください。沢山の筋肉を使うトレーニングほど代償動作は起こりやすいので特定の筋肉を鍛えるという点では効果は期待できません。それが弱い筋肉であれば尚更です。
JTAはどの姿勢でどう力を入れればその筋肉に力が入りやすいか?、代償動作が入らないか?を考え研究に研究を重ねて出来たトレーニングを行うため単独で特定の筋肉を鍛えることが可能なのです。
どんな治療法なの?
姿勢や歩行、体の硬さなどの症状から、特定の弱い筋肉を推測し、その筋肉に対して一般のトレーニングとは全く違った
といった3つの生理作用を利用したトレーニングを単独で行うことで、弱い筋肉を鍛えて過緊張を起こしている筋肉を緩めることでバランスの良い状態をつくり症状改善をする治療法です。
筋力強化
皆さんの筋力トレーニングのイメージは『継続すれば数ヶ月後に筋肉が付いてくる』といったものかと思います。もちろんそれも正解ですが、即時的にも筋力は上がるんです。
基本的に、筋肉は脳からの命令を神経を通して受け取ることで動きます。この脳からの命令が少ないと筋肉が本来の力を発揮できません。逆に命令が沢山出ればしっかりと筋肉は働きます。筋力トレーニングをすると一時的にこの命令が大きくなり筋力が上がります。(筋力トレーニングをした後にものが軽くなったり、体が軽くなったりという経験はありませんか?)
使えていないために弱くなった筋肉は脳からの命令も少なくなっています。JTAで単独に鍛えることで脳から沢山命令を出してあげることで即時的に筋力をあげることができます。
相反抑制
先ほど『基本的に筋肉は脳からの命令を神経を通して受け取ることで動く。』と説明しましたが脳を介さず(無意識)に筋肉を動かす反射という生理作用があります。相反抑制はその1つです。
相反抑制とは主動作筋が収縮する際、その動きを邪魔しないように拮抗筋が抑制される反射です。専門用語ばかりで何が何やらといった方が多いと思いますが、具体的に説明すると
肘を曲げる時に上腕二頭筋(力こぶを作る筋肉)が収縮します。その時に反対側の上腕三頭筋(腕立て伏せで鍛えられる筋肉)が邪魔になるため無意識に抑制する命令がいき筋肉が緩みます。
相反抑制のおかげで関節が動かせるといってもいいほど重要な反射なんです。JTAではこの相反抑制を利用することで過緊張を起こしている筋肉を緩めます。
ⅠB抑制
これも反射の一つで、腱が強い力で伸張するとその腱に付着する筋肉を抑制する腱をまもる反射です。これを詳しく説明すると
腱とは筋肉と骨を繋ぐ組織です。この腱には張力を感知する受容器(センサー)があります。筋肉が伸びた状態で力を入れると腱が強く伸ばされ、そのセンサーが「このままでは腱が切れてしまう!筋肉を緩ませなきゃ!」と力が入っている筋肉に抑制の命令を送り筋肉が緩みます。
要は腱が切れないようにするための反射です。JTAはこの反射を利用し過緊張を起こしている筋を緩めます。
JTAは治療だけではなくスポーツコンディショニングにも役立ちます。試合前・練習前に行うことで全身の筋肉が動きやすくなり関節も安定するためパフォーマンスが向上します。またクールダウン時(運動後)に行うことで筋ポンプ作用(筋肉の収縮により心臓に血液が送られる)により血流量の増大、疲労物質の除去といった効果もあります
どんな症状に効果があるの?
主に関節痛を惹きおこす原因の筋肉に対して治療をするので関節の痛みはもちろん、筋肉のアンバランスにより惹き起こされる疾患など主に慢性の痛みに有効です。また急性症状であってもぎっくり腰を繰り返してしまう人や何回も捻挫をしてしまう人といったいわゆる癖になっている人には効果が期待できます。
治療の流れ
1.問診・検査・評価
問診と検査(姿勢や歩行、体の硬さなどを診ます)の結果から患者様の状態を評価します
2.JTAの説明(初回のみ)
検査の結果とJTAフラッシュリプロ療法についての説明や治療プランをスライドショーを使ってわかりやすく説明します。
3.治療
評価にて推測した弱くなっている筋に対して治療を行います。こちらの指示通りに動いていただければ大丈夫です。
4.セルフトレーニングの確認・指導
ご自宅でも出来るセルフトレーニングの動画をスマートフォンを使って配布します。2回目以降は正しいやり方でセルフトレーニングが出来ているかの確認をし、誤った所があれば修正します。